小道具

資料モジュール

小道具

作中を流転するアイテムの分類、5段階の物語上の重要度、所有者と譲渡履歴、本文の角括弧による自動登録と登場記録を解説します。

小道具カードを作成すべきアイテムの基準

小道具カードは、物語の中で動線を持つアイテムのために用意されています。第3幕で形見の短剣を誰が握っているか、何人の手を経て渡ってきたか、偽造された印章が誰の脅迫の切り札になっているかなどを管理します。作成の判断基準は実践的です。「繰り返し登場する」「物語上の機能を担う」「所有者が移り変わる」のいずれかに該当するかどうかです。一度きり背景として言及されるだけの物は描写行に書けば十分です。

小道具は脚本の独立したノードタイプではありません。本文中からはインライン参照(後述)によって記録に紐付けられ、カード側からはどのシーンに登場し誰が所持しているかを確認できます。

画面レイアウト:一覧リストとツールバー

左ナビゲーションから「Props」(小道具)を開きます。タイトルの横に総数が表示されます。ツールバーには、名称・説明・別名による検索、物語上の重要度フィルター、カテゴリフィルター、並び替え、新規作成ボタンが並びます。

  • 4種類の並び替え:Newest Created(作成日時順)、Sort by Name(名称順)、Appearance Count(登場回数順)、Narrative weight(重要度順)。後ろの2つを活用すれば、「出番の多いアイテム」や「失ってはならない最重要アイテム」を上位に固定できます。
  • カテゴリフィルター:All Categories(すべてのカテゴリ)と各カテゴリのカード件数が表示されます。項目が多い場合はカテゴリ検索枠で絞り込めます。該当がない未分類のカードは「Uncategorized」(未分類)にまとまります。
  • 空のプロジェクトではその旨が表示され、フィルターで絞り込みすぎて0件になった場合は、白紙ではなく検索条件やフィルターを緩和するよう案内されます。

カードは複数選択に対応しています。選択すると下部に一括操作バーが現れ、選択件数、現在表示中の全選択、選択解除、ワンクリックでの重要度5段階変更、および削除(削除前に影響を受けるカード枚数を事前提示)が行えます。

カード作成:入力すべき基本項目

  1. 作成
    新規作成ボタンをクリックするか、脚本内の小道具リンクをクリックしてプレビューを開き、カード詳細へ進みます。
  2. 項目の入力
    「Edit Prop」(小道具編集)の入力項目(上から順):名称、小道具画像、Category(カテゴリ)、Narrative weight(物語上の重要度)、Representative Color(代表色)、Aliases/Nicknames(別名/愛称、Enterで追加)、Basic Description(基本説明)、Appearance Features(外見的特徴)、Narrative Function(物語上の役割・機能)、Tags(タグ)、Owner & Relationship Details(所有者と関係性の詳細)、Notes(メモ)、Script Appearances(脚本での登場箇所)。
  3. 保存
    下部のボタンが「Save」から「Saving」に変わります。未保存のまま画面を離れようとすると「Unsaved changes exist. Discard?」(未保存の変更があります。破棄しますか?)と確認されます。

3つのフィールドは未来の自分への申し送り事項です。「Appearance Features」(外見的特徴)には材質、色彩、損傷具合を、「Narrative Function」(物語上の役割)には物語上の働き(謎解きの鍵、感情の拠り所、凶器など)を、「Notes」(メモ)には隠された伏線や後々の回収予定を記録します。「Tags」(タグ)は自由記述であり、「Category」(カテゴリ)を置き換えるものではありません。前者は検索用キーワード、後者は体系的な分類として使い分けます。

画像の設定方法は2通りあります。画像エリアをクリックしてローカルファイルをアップロードするか、「✦ Generate Prop Image」(小道具画像を生成)を使ってカードの内容からアシスタントにプロンプトを作成させます(ログイン済みアカウントが必要。プロンプトを推敲した上で「Adopt」または「Regenerate」を選択)。破損ファイルなどは明確にエラー表示されます。

5段階の物語上の重要度設定

重要度は Core(中核)、Major(重要)、Standard(標準)、Supporting(補助)、Background(背景)の5段階で管理され、それぞれ固有の色を持ちます。これは作者がそのアイテムに約束する「作中での存在感」の重みです。ランキング、登場熱力図、一覧の並び替えのすべてがこの重要度を参照します。新規作成時は Standard が設定されます。

Representative Color(代表色)は独立した設定です。カード、マップブラシ、ランキング行での視覚的なマーカーとしてのみ機能し、章のカラー、伏線カラー、ロケーションカラーと共通の64色パレットから選択します。

所有者情報と関係性の記録

所有者は本文から曖昧に推測されるのではなく、キャラクター名簿から明確に選択します。「Add Owner」(所有者を追加)をクリックし「Select Character...」から指定します。所有者ごとに1行の関係メモ(「家宝」「今夜限りの借用品」など)を記録できます。1つの小道具が同時に複数の所有者を持つことも可能で、基準値は物語開始時点の所有状況を表します。

物語の途中で所有者が移り変わる場合は、「Owner & Relationship Details」の章別トラックを有効にします。所有者と関係メモは不可分の1つの変化点として記録されるため、メモの内容だけが人物から取り残されることはありません。また、「なし(誰の手にもない)」を明示することも正当な変化点として記録されます。

本文との連携:角括弧による参照記法

脚本本文中でアイテム名を半角角括弧 `[小道具名]` で囲んで記述します。行を確定すると緑色のリンクとして描画され、小道具ライブラリにカードが登録されます。リンクをクリックすると執筆を妨げない簡易プレビューが開き、カード側の「Script Appearances」にはその小道具が参照されている全シーンが一覧表示され、ワンクリックで本文へジャンプできます。

エディターが通常のテキスト中にある小道具名を検知した場合は、文字の下に薄い点線が表示され、クリックすると「turn into a link」(リンクに変換)が提示されます。執筆者が承認して初めて正式な参照リンクになります。自動検知が強制的に紐付けを行うことはなく、合致する文字列が一括置換されることもありません。

アシスタントに小道具を記録させる

「ここに鍵を開けられそうな小道具を追加して」「この短剣の持ち主を阿珍に変更して」のように指示を出すと、アシスタントはプロジェクト全体を読み込んだ上で確認用の提案カードを返します。小道具の新規作成(最低限の名前を含む)、フィールドの編集(名称、別名、説明、カテゴリ、重要度、外見、機能、所有者)、削除などが含まれます。1枚の提案カードで最大8件の操作を扱い、1回のUndoでカード全体の変更を一括で巻き戻せます。

制限事項とトラブルシューティング

  • 本文中に名前を書いただけではカード化されません:角括弧によるリンク記法(または手動での「リンクに変換」の承認)を行って初めて小道具ライブラリに登録されます。
  • 登場回数はその小道具が本文で参照されたシーン数を集計します。一度も参照されていない小道具は0回となり、並び替えで下位に沈みます。
  • 小道具のランキング機能はこの画面内にはありません。「World」(世界観)画面の常駐サイドバーにあり、4種類のエンティティ共通で集計されます。
  • 小道具を削除すると、脚本本文中のリンクも解除されます。この操作は復元できないため、確認ダイアログに表示される影響件数を必ず事前に確認してください。