伏線

資料モジュール

伏線

リズムパネル内の伏線管理ボードです。伏線設置・補強・回収の3つのアンカー、間隔や回収遅延のアラート自動計算について解説します。

伏線ボードの記録対象

管理対象は3つです:どこに仕掛けたか(Setup:設置)、途中で読者に思い出させたか(Reinforce:補強)、どこでどのように回収する予定か(Payoff:回収)。これらを記録しておくことで、「仕掛けたまま忘れる」という記憶力の問題を解消できます。

本文から自動検出したり、本文を勝手に書き換えることはありません。執筆中に伏線が勝手に生えてくることも、回収済みにチェックを入れたからといって原稿が変更されることもありません。記録は執筆者が管理し、システムはそのスパン(間隔)を客観的に計算します。

アクセス方法:リズムパネル画面

左ナビゲーションから「Beats」(リズム)を開きます。伏線マネージャーはこの画面に常駐しており、テンポ密度曲線(章カラーブロックの上層)や2種類の登場熱力図と同一画面を共有しています。サブタイトルには「Setup → Payoff · scene span」(設置 → 回収 · シーン間隔)と表示されます。伏線は脚本右側のサイドバーからは移動しており、単一章と全体を分ける二重管理も廃止されています。

一覧はステータス順に並び、警告が最上位に表示されます。各行にはスパンバーが表示され、一方の端に設置章、もう一方の端に回収章、その間に補強の小マークが刻まれます。章が存在しない初期状態ではその旨が案内され、伏線を正確に配置するにはシーンが必要であることが説明されます。

伏線の新規作成:最初に記録すべき項目

新規作成ボタンをクリックすると、詳細パネルが開きます:

  • タイトルとカラー:設定したカラーはスパンバーの描画色となり、未設定の場合は重要度に応じた色で描画されます。
  • Technique Type(技法タイプ):Explicit Setup(明示的伏線)、Subtle Setup(暗示的伏線)、Misdirection(ミスディレクション)、Recurring Thread(反復モチーフ)、Callback(前言の回収/コールバック)。選択前は Uncategorized(未分類)です。
  • Hint strength(ヒントの強度):Obvious(明確)、suggestive(示唆的)、Hidden(潜伏)——読者がその仕掛けにどれだけ気付けるかを表します。デフォルトは未定です。
  • Importance(重要度):Main Plot(メイン筋)、Subplot(サブ筋)、Detail / Easter Egg(細部/イースターエッグ)。
  • Expected Resolution / Effect(想定される解決/効果)と Notes(メモ):メモ欄では @ メンション入力によりキャラクター、ロケーション、小道具、世界観設定にリンクできます。
  • Linked foreshadows(関連伏線):関連する伏線同士を数珠つなぎにリンクし、一方を変更した際に関連項目も確認できるようにします。
この詳細パネルは自動保存式です。下部に案内が表示されており、「Done」をクリックするとパネルが閉じるだけです。明示的な「Save」操作が必要なキャラクターや小道具のドロワーとは挙動が異なります。

3つのアンカー:設置、補強、回収

「Anchor Points」(アンカーポイント)フィールドには「Setup / Reinforce / Payoff」と表記されています。各アンカーは章、シーン、時空、またはコンテンツブロックを指し示します。粒度は自由に選べますが、シーン単位で設定することでスパンの正確な間隔が算出されます。

1つの伏線に複数の「補強」アンカーを保持できます。このブロック内で自由に追加・削除が可能です。「読者に再度印象づけた」ことを意味し、全体のステータスは変化せず、概要の補強回数カウントのみが増加します。

効果的な3つの実践習慣:

  • プロット構想時:章レベルのアンカーのみを設定します。「ここで仕掛けて、ここで回収する」と決めるだけで、スパンバー上にどれだけ距離が離れているかが即座に可視化されます。
  • 本文執筆時:設置アンカーを具体的なシーンに固定し、回収アンカーは空欄にしておきます。該当章に到達するまで一覧には「Awaiting Payoff」(未回収)として留まります。
  • 推敲・改稿時:反復して登場する要素に補強アンカーを追加します。3回補強された伏線と、仕掛けられたきり放置された伏線はスパンバー上の見た目が全く異なるため、読者が忘れかけている伏線を一目で発見できます。

ステータスの判定基準と警告ライン

ステータスはアンカーの設定状況から自動算出されるため、手動設定によるズレが生じる心配はありません:

  • アンカーが一切ない → Not Set Up(未設置)。
  • 回収アンカーのみ存在 → Set Up(設置済み。結末を先に書き後から仕掛けを設ける逆算パターン)。
  • 設置アンカーのみ存在 → Awaiting Payoff(未回収)。
  • 設置と回収の双方が存在 → Paid Off(回収済み)。
  • 未回収の期間が長すぎる → Overdue(警告)。一覧で警告表示されます。判定基準は作品の長さに比例します:設置章から最新章までの間隔が「6章以上」または「全章数の40%以上」のいずれか大きい方を満たすと警告となります。100章の大作で5章空いた程度で警告が出ることはなく、短編でも適切に警告が機能します。

フィルターは All(すべて)/ Awaiting Payoff(未回収)/ Paid Off(回収済み)/ Warning(警告)があり、未回収フィルターには警告中のものも含まれます。並び順は常に警告が最上位となり、未回収、設置済み、未設置、回収済みの順で表示されます。

アシスタントによる伏線の設置と回収支援

「この伏線は第8章で回収すべき」「出されなかった手紙という伏線を記録して」のように指示を出すと、アシスタントは確認用の提案カードを返します。伏線の作成、編集、削除(タイトル、メモ、技法、ヒントの強度、重要度、アンカー、想定される解決、関連リンク)が含まれます。設置および回収アンカーは実在する章、シーン、時空、ブロックを正しく指している必要があり、伏線を削除しても本文が変更されることはありません。1枚のカードで最大8件の操作を扱い、承認後は1回のUndoで巻き戻せます。章やシーンを削除した場合も、そこを指していたアンカーは宙に浮くことなく自動的に除去されます。

制限事項とトラブルシューティング

  • スパンの数値がおかしい、または0になる場合:アンカーが章レベル止まりになっていないか確認してください。章のみの指定では章単位の間隔しか算出できません。
  • フィルターで一覧が空になった場合はその旨が表示されます。「All」に戻して全件を表示させてください。
  • 削除は項目ごとの個別確認となります。一括削除機能はありません。
  • リズム画面が空の場合はプロジェクトに章がまだ存在しないことを示しています。脚本エディターまたは章アウトラインで先に章を作成してください。

登場回数の集計仕様については キャラクター、 リズム曲線や熱力図については 資料モジュール概要 を参照してください。