章、シーン、時空(シーン設定)
4層構造の設計、シーンの4項目、時空設定のサブツリールール、章の執筆意図、ヘッダーの記述形式を解説します。
4層の階層構造
脚本は上から順に4つの階層で構成されます:章 → シーン → 時空(シーン設定) → コンテンツブロック。章は物語の大きな区切りを分け、シーンは1つの劇的単位のアンカーとなり、時空はそのシーン内での場所や時間の切り替えを示し、コンテンツブロックが具体的な文章を保持します。この4層はすべて実際の構造データであり、見出しテキストや字下げから曖昧に推測されるものではありません。
シーンノード:1行で管理する4要素
本文行で Tab を押して「シーン」(キー 9)を選択すると、その行は4つのフィールドに変化し、それぞれ固有のルールに従います:
- 番号はデータとして直接保存されません。脚本内のシーンノードの順序に基づいて動的に導出されるため、シーンを1つ削除すると後続のシーンが自動的に再番号付けされます。
- ロケーションはロケーションライブラリから選択するか、新しく入力します。確定時にライブラリに同名がなければ新規カードが作成されます。「内景/外景」の区分フィールドは廃止されました。
- 時間は「午後」「3日目の夕暮れ」などの自由記述です。
- 短いタイトルはシーンそのものに記録され、「そのシーンで何が起きたか」を記すシーンのあらすじとは別に保存されます。前者は目次や見出しに、後者は詳細情報や創作コンテキストとして利用されます。
シーンノードを作成すると「シーン所属」が開始されます。空行でEnterを押して抜けるか、次のシーンを作成するまで、以降の行はそのシーンに属するものとして扱われます。エディター上では太字の1行として描画され、シーンの境界が一目で判別できます。
時空ノード:同一シーン内の切り替え
時空(キー 8)はシーン内部の細かな切り替えを表すノードで、2つの任意フィールドを持ちます:
- 空欄は「親シーンのロケーションを継続する」という意味になりますが、親の値がフィールドに自動補完されることはなく、画面には手動で入力した内容のみが表示されます。
- ロケーションはそのシーン自身のロケーション階層配下に限定されます。「2階奥の部屋」と入力した場合、階層内に一意に一致するものがあればそれが再利用され、存在しなければメインロケーション直下に直接の子ロケーションとして新規作成されます。別の系統に同名があっても誤って紐付くことはありません。メインロケーションが未指定の場合、フィールドは無効化され先に入力を促します。
- 時空には登場人物フィールドはありません。誰がいるかは、その下に連なるブロックやセリフ行によって決まります。
- 時空のロケーションを変更すると再紐付けまたは新規作成が行われます。元のカード名が変更されることはなく、時空をクリアまたは削除しても参照が外れるだけでロケーションの記録自体は残ります。名称変更はロケーション情報自体で行います。
章の設定と章ごとの執筆意図
脚本上部の章バーには、現在の章、前後の章への移動ボタン、およびプロジェクト全体のシーン数、キャラクター数、ロケーション数、小道具数が表示されます。章にはタイトル(空の場合は番号に基づくプレースホルダーが表示されます)、章の意図、カラー設定が保持されます。章番号も順序から導出されるため、タイトル文字列の中に直接書き込む必要はありません。
章の意図には「この章で何を進め、どのような伏線を張るべきか」を記録します。セリフには現れず、章見出しの下に表示され、アシスタントに執筆の継続を指示する際の重要な目標情報となります。自動生成された要約が、執筆者が手動入力した意図を上書きすることはありません。
構造調整の操作場所
原稿の文字を消して直すのではなく、右側のコンパニオンパネル(「Beats」(リズム)画面の章ワークベンチと共通)で構造を移動します。ドラッグによる並び替え、右クリックでの章・シーン・時空の新規作成、タイトルのダブルクリックによる詳細表示、シーンカードの「⏱ 作業履歴」からの過去ドラフト参照などが可能です。これらの変更は直接反映され、下書き保存の二度手間はありません。
シーンを別の章の近くへドラッグすると所属が変更されます。詳細は コンパニオン を参照してください。
AIと共有する見出しの標準形式
見出しは共通の標準文法に従います:章見出しは「# 第N章 タイトル」、シーン見出しは「## 12. ロケーション · 時間 · 短いタイトル」、時空見出しは「### ロケーション · 時間」(両フィールドとも省略可能であり、「### 時空」や「### 時空 · 午後」も有効)です。続きの執筆、ビートの拡張、オープニングの生成のすべてでこの形式が使用されます。
番号は位置を識別するためだけに使用されます。パーサーはまず正の整数のシーン番号を分離してから、ロケーション・時間・短いタイトルの3つのフィールドにマッピングするため、番号の誤りによって順序が狂うことはありません。構文が不正な構造は全体の書き込みが拒絶されるため、中途半端に生成された登場人物や一部だけ書き込まれたテキストが残ることはありません。
制限事項とトラブルシューティング
- エディターは見出しテキストを勝手にシーンへ自動変換しません。構造化したい場合は Tab キーを押してシーンや時空を指定してください。
- 構造と本文の表示が食い違っている場合は、まずコンパニオンパネルで所属関係を確認してから本文の行を調整してください。双方が同一の構造データを参照しているため、正解は常に1つです。
- 手動で作成したシーンと脚本本文から派生したシーンが混在する場合、脚本の出現順に番号が付けられます。これは現在の仕様上の制約であるため、本文から直接シーンを作成することを推奨します。
- 時空ノードを別の章へ移動させるには、移動先の章のシーンにメインロケーションがあらかじめ設定されている必要があります。設定されていない場合、移動は拒絶され双方のノードが元の位置を維持します。